
財政構造改革プラン(素案)について(案)
2008年9月7日
日本共産党岡山県議団
8月27日、石井正弘県知事は、6月2日の「財政危機宣言」を受けての「財政構造改革プラン」(素案)を発表した。
1.
今回の岡山県財政危機をもたらした根源には、@国の「三位一体の改革」の名による地方交付税の大幅カットや、従前から続いている国直轄事業負担金の有無を言わさぬ押しつけなど、地方を国の悪政の犠牲にするやり方、A県財政再建の取組が待ったなしの状況にあることは10年前から分かっていたにもかかわらず、三次にわたる行財政改革に取り組みながら、チボリへの税金投入に固執し続けるなど無駄遣いを続けてきた石井県政3期12年間の失政がある。
2.
また、石井知事が全国知事会で旗振りした義務教育費国庫負担制度の廃止は、国の負担率が2分の1から3分の1へ引き下げされた一方、交付税は抑制基調となったことにより、県財政の悪化をもたらす結果となった。全国知事会でその旗振りをした石井知事の責任は大きい。
3.
自治体財政の役割と機能を何処で評価するか・・それは「地方自治の本旨」である「住民福祉の向上」が達成できているか、ということであり、その本旨を果たす上で「簡素で合理的な運営」が行われているかどうか、にある。こうした見地から岡山県財政も見て行かねばならない。
4.
県単独の医療費助成制度など県民生活と深く関わる「一般行政施策費」は今回118億円削減となり、石井知事の12年間のもとで、57%も削減されたことになる。この間も相次ぐ「行財政改革」の名のもとで、障害者の単県医療費への1割負担の導入などの切捨てが強行されてきたが、更なる今回の削減は県民に耐え難い苦しみを押し付けるものであり、到底容認できないものである。また、私学関係者や市町村当局、市町村教育委員会などからはさっそく大きな批判の声が挙がっており、その声は当然である。
5.
県庁職員・教職員の定数削減と給与カットも全国最悪のものである。石井知事の「行財政改革」は、ある意味では、職員・教員定数の削減と給与カットの歴史といっても言い過ぎではない。職員定数の削減は、県民へのサービスの低下につながるものである。また、全国最低給与は、職員・教員とその家族に犠牲を強いるだけでなく、地域の労働者の生活悪化に連動し、地域の景気にも影響するものといえる。しかもことさらに「全都道府県で最も厳しい水準の給与カット」であることを強調している手法には、選挙を目前に控え人気取りの道具に利用しようとする知事の意図が見え透いていると言わねばならない。
6.
関連して石井知事の退職金返上は、当然のことであり、むしろ遅きに失した感さえある。いったん2割削減を提案しておきながら、批判が強いとすぐ全額返上に変更するなどは、そもそも県民の声を正面から受け止めていないことの証明である。
7.
県民生活に負担を強いる一方で、切り込みの不十分なものも多い。長野前知事以来の吉備高原関連や苫田ダム・広域水道企業団関連などもっと構造的なメスを入れる分野・事業も多い。苫田ダムを前提にした岡山県広域水道企業団の「余剰水量」に今でも毎年5億円の「立て替え払い」を継続している。チボリ事業への新たな35億円の補助金も石井知事の責任である。
8.
「特別会計」や「公の施設」「外郭団体」にも県民の目線から大胆にメスを入れるべきである。光量子研究所をはじめ石井知事になってからの「無駄遣い」は即刻見直すべきである。
9.
ましてや、「配慮する(五つの)分野」の一つとして「中四国の拠点生の向上」をあえて挙げているがこれこそ見直すべきである。従来からこの分野は、多額の税金投入を必要とし、無駄づかい批判の最大の対象となってきたものである。先の知事折衝において「最大70億円もの大企業誘致補助金制度はやめるのか」というわが党の質問に対し、知事は「今のところ考えていない。大企業誘致はやりたい」と答えている。「聖域を設けない」と言うなら、このようなものこそ真っ先に廃止すべきである。
10.
こうした歳出削減とあわせて、税収増による歳入確保も重要である。その点で、東京都、京都府、神奈川県、兵庫県、静岡県などが実施している法人事業税超過課税は注目する必要がある。例えば静岡県では、1979年度から資本金1億円超の法人と資本金1億円以下でも所得が年3000万円超の法人からは標準税率プラス5%の超過課税をし、この間約2150億円の税収を得て、それを財源に地震対策の強化を進めている。同時に、国の大企業減税により岡山県ベースでも、毎年120億円規模で税収減となっており、これを元に戻すことも喫緊の課題である。
11.
もちろん、この間の県民各層や市町村からの声と運動で、噂されていた社会保障関連の削減をストップしたものも多くあり、引き続く運動が求められている。
12.
また、重油急騰に伴う予算措置や景気対策などは、財政危機の中でも格段の取組みが求められているものであり、一層の対策を求めるものである。
13.
結論として、今回の議論と作業を通じていえることは、突然の「財政危機宣言」発表という不正常な手法に訴えるのではなく、この2月議会から財政状況を公表し、いくつかの選択肢を提示し、時間をかけて、県民・職員・議会の間でキチンと議論する手法が必要ではなかったのか、ということである。これは今後の財政問題の議論としても必要なことだと考える。
14.
また「素案」では、特定目的基金からの借り入れなどをしない方針を基本としているが、こうした「やり繰り」は「財政危機のもとでの住民サービスの向上」にとって、必要かつやむをえない措置だと考える。
15.
そして、何よりも肝心なことは、国の「三位一体の改革」の名による地方切捨てが諸悪の根源だということである。国政の改革なしに地方自治も地方財政確立もない。その点で、自公政権の責任が厳しく問われている。
以上
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